埼玉県の春日部にある地下神殿として話題の首都圏外郭放水路を見るために見学ツアーに参加してきました。
首都圏外郭放水路とは
首都圏外郭放水路は、中川、倉松川、大落古利根川など中小河川の洪水を地下に取り込むことで、地盤が低く水がたまりやすい地形である中川・綾瀬川流域の洪水被害を小さくするために、地底50mを貫く総延長6.3kmにも及ぶ世界最大級の巨大地下水路です。
日本が誇る最先端の土木技術を結集して、平成5年3月から工事の着工し、13年もの歳月をかけて平成18年6月に、大落古利根川から江戸川までの通水が可能となりました。
施設は、各河川から洪水を取り入れるための流入施設と地下に水を導く立坑があり、洪水を流下させる地下水路のトンネルと地下空間で水の勢いを弱めて、スムーズな流れを確保する調圧水槽で成り立っています。
首都圏外郭放水路見学ツアーへの参加方法
見学会へ参加するには、事前予約が必要となっています。
予約は、電話又はWebから行うことができますが、Webから行うことをお勧めします。
それはなぜかというと、見学会が非常に人気ですぐに定員一杯となってしまうからです。
ちなみに、2019年5月時点では土日含め毎日見学会が行われていますが、私が参加した2017年9月時点では基本的には平日しか見学会が行われておらず、月に2回だけ土曜日開催されていたのみでした。
それに比べると現在は参加しやすくなっています。
それだけ、首都圏外郭放水路の見学会が人気になっているということですね。
土日の予約はかなり難しい
予約は、見学会が開催される日の1ヶ月前の深夜0時から行うことが出来るのですが、その時間に予約ができるのは当然Webからのみです。
今回私は土曜日に開催された見学会に参加したのですが、予約は1ヶ月前の深夜0時に予約ボタンを押すことで予約がギリギリ取れたほどで、数分で土曜日の見学会は全ての時間帯が受付終了になっていました。
地下神殿のある場所
埼玉の地下神殿と称される首都圏外郭放水路の調圧水槽は、埼玉県春日部市上金崎にある龍Q館という施設の地下にあります。
見学ツアーは、この龍Q館からスタートします。
龍Q館は駅から離れているので、車で行くのが便利です。
龍Q館の建物の横に駐車場があるので、そこに停めることになります。
地下神殿のある龍Q館へ電車とバスで行く方法
電車やバスなど公共機関を使っての行き方ですが、春日部駅か南桜井駅まで電車で行き、そこからバスで行くことになります。
一番楽なのは、龍Q館まで直接行ける春日部市コミュニティバスを利用する方法なのですが、曜日によって運行時刻表が異なる事や、そもそも本数が1日3本程度とかなり少ないこともあるので、見学会の時間と合うか確認するようにしてください。
もう1つは、春日部駅と南桜井駅間を運行しているイオンモール春日部線というバスを利用する方法です。
こちらは、1時間に2本から3本ほど運行されています。
イオンモール春日部線のバスは龍Q館まで直接行けるわけではないのですが、庄和高校という停留所で降りて、そこから徒歩15分ほどで龍Q館に着きます。
今回私は、このイオンモール春日部線を利用して行きましたが、同じく見学会へ参加される方が6名ほど乗車していました。
[2018年6月追記]
2018年6月からイオンモール春日部線のバスで直接龍Q館まで行けるようになりました。
イオンモール春日部線のバスは1時間に3本程度は出るので、アクセスはかなり良くなりました。
見学ツアーの受付
龍Q館へ着いたら、2階で受付を行います。
受付時には、注意事項と誓約書の記入が求められます。
注意事項としては、地下へと降りる階段や踊り場での写真撮影は禁止であること、運動靴を履いているかといったところになります。
また、地下50mという環境なので、地上に比べて気温が低い状況になります。
気温の調整が出来るような服装を持っていくといいでしょう。
ポストカードになっている首都圏外郭放水路の見学参加証を貰っていざ見学会の開始です。
地下神殿と称される首都圏外郭放水路の見学ツアーはこんな感じ
見学会はまず、龍Q館の2階で首都圏外郭放水路の建設に至った経緯や、メカニズムについて説明を受けます。
また、建設費に対して、洪水被害を抑えたことによって直接的にどれだけ効果を発揮しているのかといったことが説明されました。
巨額の税金を使って建設しているからこそ、効果はアピールが必要ですよね。
15分ほどの説明が終えるといよいよ地下神殿といわれる地下の調圧水槽への見学となります。
いよいよ地下神殿へ
地下の調圧水槽へは一旦龍Q館の外に出ます。
龍Q館の前には、サッカーの試合が出来るグラウンドがあるのですが、その角に首都圏外郭放水路の入口があります。
普段は施錠されていて、係員の方が解錠して、施設内のライトの電源を入れます。
水銀灯であるため、点灯するまで時間がかかるため少々待ちます。
神秘的な地下神殿
100段ちょっとの階段を降りるといよいよ地下神殿で称される調圧水槽に到着です。
地下の巨大な空間に、それを支える巨大な柱達がまさに地下神殿のようで、圧倒されます。
ここがSNSなどで話題になっ地下神殿の撮影場所なんですね。
埼玉県の地下神殿こと首都圏外郭放水路の調圧水槽 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
見学できるエリアは、階段から降りたところから周囲50mほどとなっているのですが、辺りを見渡していると目に付くのが第1立坑の巨大な穴です。
首都圏外郭放水路には合計で5つの立坑がありますが、この第1立坑は唯一直接川とは接していない立坑になります。
上の写真で見えているのは、全高の上側3分の1程度で他の立坑から流れ込んできた洪水がこの第一立坑を経由して、調圧水槽へと流れてきます。
そのため、見学している調圧水槽には土砂も積もりますが、見学会のため、人が立ち入る範囲だけは人の手で土砂を除去しているとのことです。
それ以外の部分については、1年か2年に1回ほど地上からブルドーザを降臨させて、除去します。
ここで疑問に感じるのがどうやってブルドーザをこの地下神殿に運ぶのかということ。
説明員の方によると、下記写真の枠部分をクレーンで外して、そこからブルドーザをクレーンで下ろすとのことです。
以上、埼玉県春日部市にある地下神殿と話題の首都圏外郭放水路をご紹介しました。
予約困難ですが、一度訪れるとその景観に圧倒されること間違いなしですよ。