都心から電車で約1時間、神奈川県横須賀市の東京湾に浮かぶ無人島で、東京湾最大の自然島でもある猿島が最近人気です。
猿島の概要と歴史
日本が鎖国をしていた19世紀中頃、江戸幕府は異国船の江戸湾進入を防ぐために、全国の台場(大砲を備える台)を猿島に建設しました。
それ以来、猿島は要塞の島として歴史に名を刻むことになります。
その後、明治時代中期、明治政府は、東京湾口の守りを固めるために、猿島に砲台と要塞を設けました。
砲台には、敵国の戦艦を迎え撃てるように、フランスから輸入したカノン砲が配備されました。
しかし、海から空へと戦法の主流が急激に変化したことなどにより、実戦で使われることはありませんでした。
その後、しばらくの間、猿島は軍事拠点としては忘れ去られていましたが、第2次世界大戦の悪化とともに、本土への攻撃が迫るようになると、再び防衛施設として活躍するようになりました。
昭和16年ごろより鉄筋コンクリート製の円形の砲座が5個作られ、その上には高射砲が配備されました。
これが猿島にある砲台跡です。
猿島の高射砲は昭和20年の終戦まで、空の敵機に向かって銃弾発射し続けましたが、終戦と共に解体されました。
猿島が人気の理由
猿島が最近人気となっている背景にはInstagramを始めとしたSNSによる影響があります。
何処の誰なのか、どこかのメディアにて報じられたのかは不明ですが、猿島内の景色がスタジオジブリの「天空の城ラピュタ」の廃墟にそっくりと評判になったことが影響しています。
また、東京湾に浮かぶ無人島ですが、横須賀の港からフェリーで約10分というアクセスの良さもあります。
島内ではバーベキューを気軽に楽しんだり、海水浴を楽しめるのも人気の理由の1つです。
BBQに関しては、島内で機材を貸し出してくれますし、食材セットも入手できるので手ぶらで行けるという便利さも人気となっています。
機材や食材については、事前に下記サイトで予約しましょう。
行き方
そんな最近人気の猿島への行き方ですが、公共交通機関を利用すると便利です。
今回私は、京急線を利用して横須賀中央駅まで行き、そこから猿島行きのフェリーが出ている三笠公園まで歩いて行きました。
横須賀中央駅から三笠公園までは徒歩で約10分から15分ほどです。
横須賀中央駅から三笠公園まで道のりは、下記公式サイトで写真入りで詳しく解説されているので、実際に行く際は参考にしましょう。
アクセス | 【TRYANGLE WEB】YOKOSUKA軍港めぐり / 無人島・猿島 / ヨコスカBBQ のトライアングル
船のチケット購入方法
三笠公園に着いたら、猿島行きのチケットを三笠発券所で購入します。
事前予約はないので、当日行って購入することになります。
三笠発券所には、猿島の地図が書かれたパンフレットがあるので、持っていくといいですよ。
三笠発券所の場所ですが、船の発着所の近くにあります。
料金
チケットは往復分となっていて、大人1人あたり1500円となります。
フェリー代金としては1300円ですが、2015年4月から猿島公園入園料として200円が横須賀市による徴収されるので1500円を支払います。
船の時刻表
猿島行きの船は、1時間に1本の割合で出ています。
夏と冬で時刻表が異なります。
11月から2月末までの冬の季節は、土日祝日のみの運行で朝9時半から15時半まで船が出ていますが、猿島から横須賀へ戻ってくる最終便が16時発なので15時半の船だと猿島で出来ることは殆どありません。
尚、猿島での宿泊は禁止されています。
3月から11月までの夏時間では、朝8時半から16時半まで船が出ています。
時刻/乗船料 | 【TRYANGLE WEB】YOKOSUKA軍港めぐり / 無人島・猿島 / ヨコスカBBQ のトライアングル
猿島行きのフェリー
猿島行きフェリーは2階建てとなっています。
1階部分は、雨風がさけられる室内席もあります。
特に冬は風邪が冷たいので、1階の室内は人気となります。
因みに、船の席は全て自由席です。
2階部分は解放されているので、船からの写真を撮りたい人は2階席に行かれますね。
船に乗船して約10分で猿島に到着します。
猿島に到着すると、浅橋には猿島から戻る方々が行列をなして待っていました。
船と接岸された浅橋を歩いていくとアドベンチャーアイランドと書かれた看板が出迎えてくれます。
猿島に来たんだなとちょっとワクワク。
猿島の施設
猿島には売店をはじめ、釣り竿やBBQセットなどの機材レンタルショップに更衣室やトレイといった施設が整っています。
これら施設は、フェリーが到着した海岸近くにあります。
逆に、島内内部には一切稼働している施設がないため、島内を観光する上では、ここで準備していきましょう。
猿島の観光所要時間
周囲約1.6キロの猿島の観光に要する時間ですが、1時間あれば、全ての道を歩くことは出来ます。
そのため、船で着いて直ぐに観光を始めれば、1時間15分後の便で横須賀の港に戻ることが出来ます。
実際私が行った時も、同じ便で来て、同じ便で戻られる方が多かったです。
夏場のように海水浴場が開いていて、BBQが盛んな時期だと長い時間滞在される人が多いでしょうが、冬場は自然やラピュタを思わせる景色を楽しむ人が多いのだと思います。
猿島の見所
ここからは猿島構内の見所を紹介していきます。
主な見所は、猿島のパンフレットに掲載されている地図上で確認することも出来ます。
要塞跡(切通し)
かつて戦時中に使われていた兵舎や弾薬庫などがそのまま残るエリアが「切通し」と呼ばれるエリアになります。
この貴重なレンガ造りの旧要塞施設は「国史跡」に指定されています。
レンガ造りのトンネル
レンガ造りのトンネルとして日本で最も古い建造物の1つ。
中には旧日本軍の司令部跡た弾薬庫が設置されていました。
現在は「愛のトンネル」とも呼ばれる観光名所スポットになっています。
中は暗いので、足元に注意して散策しましょう。
砲台跡と日蓮洞窟
猿島の先にあるのが砲台跡です。
第2次世界大戦時に高射砲が設置されていました。
終戦後に解体され、現在の姿になっているわけですが、横須賀市が提供するARアプリを利用すると、砲台跡に砲台が登場します。
そして、この砲台跡の横にある階段を降りると日蓮洞窟があります。
日蓮洞窟は現在立ち入り禁止なので、外からしか眺められないのが残念ですが、一体内部はどうなっているのか気になるところです。
降りてきた階段を登って、更に猿島内部を探検します。
展望台
最後の見所は展望台です。
しかし、こちらも現在は立ち入り禁止となっています。
猿島人気も出てきていますし、展望台は修理して利用できるようにして欲しいところです。
猿島観光しての感想
都心から気軽に行ける無人島で、島内部のレンガ造りの景色には魅せられました。
インスタなどの影響もあって、訪れる人も多くなっていますが、それらの観光客から得られた収入を利用して、今は立ち入り禁止となっているところも整備して、観光客が見学できるようになって欲しいなと感じました。
また、通常は日中しか訪れることが出来ませんが、星空を見るイベントなど、夜限定のイベントなども安全性の問題が無ければ開いても面白いのではないかと思いました。