前回書いた筒石駅に続いて、今回も新潟県にあるトンネル駅(モグラ駅)の訪問記です。
今回は、北越急行のほくほく線にある美佐島駅です。
美佐島駅の注目ポイント
美佐島駅は、同じトンネル駅である土合駅や筒石駅とは異なり、単線であるためホームは1つです。
地下トンネル内にある駅として有名な駅の1つですが、他の2つに比べると深度は大きくありません。
しかし、美佐島駅には他にはない特徴がある面白いかつ恐怖の駅なのです。
地下ホームと繋がる扉は電車到着時しか開かない
その1つが地下の待合室からホームへとつながる自動扉の仕様です。
筒石駅にも同様にホームと待合室を隔てる扉はありましたが、手動で簡単に開け閉め出来ました。
それに対して美佐島駅の扉は列車が到着した時しか開かない自動扉なんです。
自動扉の近くには電子掲示板があり、以下二通りのメッセージが表示され、扉が開く状態なのかを知らせてくれます。
- 電車が到着するまで扉は開きません。
- 電車が到着しましたので御乗車下さい。
扉はホームに電車が到着して止まった時にしか開きません。
電車がホームに入ってきても、中々扉が開かずこのまま電車が過ぎ去ってしまったらどうしよう(汗)とめちゃくちゃ焦りました、電車が止まると開きますので安心してください。
扉の上にある緑のランプが点灯したら開きます。
ホームの撮影は注意
尚、地下トンネル内の駅ホームを撮影したいと思う方もいると思いますが、今紹介したように電車到着しか扉は開かないので、注意してください。
十日町駅にて美佐島駅のホーム扉周辺はカメラで監視されていて、人がいるうちに締め出したりはしないようですが、列車が発車してから1,2分経過すると駅の中に退出するように注意を受けるとのことです。
運行妨害にも当たりますので、撮影は程々にして速やかに駅構内へと移動しましょう。
謎のタブレット端末
続いて気になったのが扉の横、電光掲示板の下にある謎のタブレット端末です。
もう少し拡大した写真で確認してみましょう。
dメニューやdマーケットのアイコンが見えます。
どうやらドコモの端末みたいですね。
ネット上で調べてみると、美佐島駅の地下はドコモ回線なら通信が可能なようです。
私はUQモバイルのau回線だったので、携帯電波は圏外でした。
ただ、Wi-Fiが設置されているので、Wi-Fiでデータ通信は可能です。
美佐島駅でWi-Fiを使う方法は下記ページを御覧ください。
圏外になってしまうので、事前にダウンロードしておきましょう。
肝心のタブレット端末の役目ですが、ほくほく線の運行状況を表示したりします。
運行上何らかの問題があれば、このタブレット端末に表示されるというわけです。
地下の待合室
自動扉近くには待合室があります。
こじんまりとした待合室ですが、ちゃんと清掃もされていてキレイな状態です。
暇つぶし用に漫画や雑誌などの本がおいてあります。
地元のボランティアの方が設置してくれたのでしょうか?
因みに待合室の中にも電光掲示板が設置されています。
この電光掲示板には何が表示されるかというと、「電車が到着します」といった簡単な内容。
いや、それ待合室外にある掲示板でも分かるしという感じです(笑)
美佐島駅の駅ノートは2つある
秘境駅お馴染みの物といえば駅ノートですよね。
もちろん美佐島駅にもあります。
ただ、変わっているのが2冊用意されている点です。
1つは地下の待合室に、もう1冊の地上の待合室にあります。
以前までは地上の待合室にしか無かったようですが、美佐島駅を愛するファンの方が地下の待合室にも駅ノートを設置してくれたようです。
いざ地上へ
地下の探検が終わったら、地上へと上がりましょう。
待合室の前に、地上へと繋がる階段があります。
その前には自動扉があるのですが、これは、ホームへと繋がる自動扉と連携していて、ホーム側の扉が開いている時は、開かないようになっています。
これは、美佐島駅を高速で通過する列車によって発せられる風への対策です。
どちらか一方の扉を閉めておかないと、突風によって駅内部を破損してしまう危険性があるためです。
恐怖の駅と言われる由縁
美佐島駅は恐怖の駅とも言われます。
これは北陸新幹線が開通する前まで運行されていた特急はくたか号が最高速度時速160kmで通過するため、その突風や音が怖すぎるためです。
トンネル内にある美佐島駅に行って、特急はくたかの160キロ通過を体験してきた。
はくたか号は、北陸新幹線へと移りましたので、ここまでの恐怖をもう体験することはありません。
ただ、乗車券だけで乗れる列車としては最高速度を出す超快速スノーラビットが越後湯沢から直江津まで走っているので、恐怖感は健在です。
因みに筆者は、超快速スノーラビットで越後湯沢から十日町駅まで乗車しましたが、美佐島駅は一瞬で通過してしまったため、ほとんど気づかないくらいです。
地上への階段は土合駅や筒石駅ほどきつくない
美佐島駅の地下ホームは、深さ約10メートルほどで、他のモグラ駅である土合駅や筒石駅に比べるときつくありません。
階段途中にあった美佐島駅のマンガ
階段途中には、壁に色々な張り紙があるのですが、1つ気になったのがこちらのマンガ。
なかなかシュールな作品となっています。
無人駅とは思えない広さを誇る美佐島駅内部
地上に上がってきて驚いたのが駅内部の広さです。
とても無人駅とは思えない広さになっています。
特に畳の待合室は必見です。
6畳から7畳ほどの広さがあり、快適そのものです。
秘境駅めぐりの人の中には駅で寝泊まりする駅寝をする方もいますが、そういった駅寝をする上でもこれほど快適な部屋は中々ないのではないでしょうか?
ただ、この畳部屋は17時~18時ぐらいに施錠されると書かれていたので駅寝が実際に出来るかは不明です。
そしてこの和室の待合室にもう1つの駅ノートが置いてあります。
この部屋以外の設備としては、男性用と女性用のトイレがあります。
尚、美佐島駅に切符の券売機はありません。
その変わりに乗車駅証明書を発行する機械が設置されています。
美佐島駅から列車に乗車して、目的地で降りる時は、この乗車駅証明書と運賃を運転手か駅員さんに渡します。
それでは、駅の外に出て駅舎を確認してみましょう。
駅舎の外観と周辺
美佐島駅の駅舎外観がこちらになります。
駅の横は2車線の大きめの国道74号が走っています。
そして、駅前は車で来た乗客を降ろすためにか半ロータリにもなっています。
そのため、美佐島駅を車で訪れることも可能です。
実際、私が行った日も車で見学しに来ていた方が1名いました。
駅のすぐ近くには川も流れています。
駅周辺にはコンビニ等もなく、水の流れる音に癒やされる時間を過ごすことが出来ました。
美佐島駅への行き方
美佐島駅への行き方ですが、北越急行のほくほく線の普通列車に乗車していくか、車の二通りとなります。
時刻表
美佐島駅を発着する列車は約1時間に1本の割合となっていますので、訪れる際は下記時刻表をよく確認して計画をたてて、訪れましょう。