8月の夏休み、前々から行ってみたいと思っていた日本唯一の湖上駅で、絶景の秘境駅として知られる奥大井湖上駅へ大井川鉄道を使って行ってきました。
当日は生憎の雨模様だったのですが、長い時間かけて行くだけの価値はありました。
奥大井湖上駅の歴史
奥大井湖上駅は比較的新しい駅で、1990年に開業された駅になります。
大井川鉄道井川線の一部が長島ダムの建設によって水没することになることから、線路が新設された際に新駅として建設されました。
駅は、長島ダムのダム湖である接岨湖(せっそこ)に突き出た半島状の陸地の突端に位置し、海抜490mの高さにあります。
そのような立地から当然無人駅であり、周辺に民家はなく、人も住んでいない。
しかし、駅のすぐ上にはレイクコテージ奥大井と呼ばれる休憩施設があり、建物内部にはトイレもあります。
また、一部期間にはイベントとして臨時郵便局が開設されるなど観光スポットとして大活躍している。
駅の前後は「レインボーブリッジ」と呼ばれる巨大な鉄橋がかかっていおり、歩いて渡ることが出来るようになっています。
奥大井湖上駅までの行き方
奥大井湖上駅には、車やバスで行くことも出来ますが、やはり駅には列車で行きたいものです。
今回私も列車で奥大井湖上駅を訪ねました。
奥大井湖上駅がある大井川鉄道は、金谷駅から千頭駅までの電車区間と千頭駅から井川駅までの非電化列車区間に分かれています。
JR東海道線の金谷駅から、大井川鉄道に乗り換えて奥大井湖上駅までの所要時間は約2時間半となります。
大井川鉄道の列車本数は、約1時間に1本となっているので、事前に乗り継ぎ含め時刻表をよく確認しておくといいです。
トロッコ列車のようなアプト式列車に乗って、レインボーブリッジが見えてくると、奥大井湖上駅はもうすぐです。
奥大井湖上駅とその周辺
金谷駅から約2時間、やっと目的地の奥大井湖上駅に着きました!
駅周辺には何もないところですが、やはり絶景をみたい人が多いのか、ここで降りる人が結構いました。
また、一本前の列車で来られた方なのか、乗車される方も結構いましたよ。
反対側のトンネルに消えていく列車を見送って、次の井川駅行きまでの1時間を使って駅周辺を観光します。
まずは、駅周辺を観察。
奥大井湖上駅 – Spherical Image – RICOH THETA
両方面のレインボーブリッジをまずは観察。
下はリコーTHETA Sで撮影した奥大井湖上駅とレインボーブリッジ周辺の360°風景になります。
奥大井湖上駅とレインボーブリッジ #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
奥大井恋錠駅
駅のホームには、カップルにも来てもらおうと地元自治体が観光目的で設置した幸せの鐘などのオブジェがあります。
現状は、この自然豊かな雰囲気の駅をぶち壊すオブジェのように感じますが、いずれ年数が経てば、他の観光スポットにあるように名所となる可能性もあるのでしょう。
レイクコテージ奥大井
駅のホームからすぐ近くには、休憩所のレイクコテージ奥大井があります。
この休憩所は、2階建てになっていて、トレイなどもあるので、お弁当を持ってきて、ここで食べるのもいいかもしれませ。
奥大井湖上駅のコテージ #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
2階のベランダ部分には双眼鏡も設置されていて、山の上からの奥大井湖上駅を含めた風景を楽しむことが出来ます。
この休憩所内には、施錠されていましたが、キッチンもあるので、時期によっては何らかのイベントで利用されているのかもしれません。
奥大井湖上駅から見える廃線となった旧線
最初の方に紹介したように奥大井湖上駅は、ダム湖によって水没する旧路線に変わって1990年に開業したわけですが、それまで使われていた線路が接岨湖を挟んで駅の反対側に見ることが出来ます。
1番目立つのが白い橋です。
そして、千頭駅側のレインボーブリッジ上からはその橋から旧犬間駅へと続く旧線が見えます。
最近ダム建設によって水没してしまったこの旧線を大井川鉄道の列車が走っていた時の写真を最近入手したので下記に掲載しておきます。
本当に走っていたんだなとちょっと感慨深くなりました。
旧犬間駅
レインボーブリッジを挟んで反対側に目を向けると、またトンネルが見えます。
接岨湖の水位が低い時には、このようにトンネルが見えるのですが、この先に犬間駅があったそうです。
この廃線となった旧線を探検された方のブログがとても読み応えあるので、興味がある方は読んでみてください。
廃線から27年立つわけですが、レールが残ったままだったりと、中々興味深いことが分かります。
また、youtubeに1990年廃線間際の様子を撮影した貴重な動画もありました。
事前に見ておくと奥大井湖上駅へ行った時の気分もきっと盛り上がることでしょう。
撮影ポイントのレインボーブリッジ展望台への行き方
駅周辺の散策が終わったら、奥大井湖上駅の写真としてよく紹介される風景と同じ画を撮るために、撮影ポイントであるレインボーブリッジ展望台へと向かいました。
レインボーブリッジ展望台の場所はどこかというと、下の写真にあるように駅から接岨湖を挟んで反対側の山道にあります。
遠いと感じるかもしれませんが、徒歩で片道15分ほどで行けます。
ただ、途中アップダウンがある山道を行くので、運動不足の足には結構きますし、靴は運動靴などすべり止が効く靴で行くようにしてください。
それでは撮影ポイントまでの道のりを写真入りで解説していきます。
まず、ホームから休憩所の方に向かって少し上がって、すぐ左に曲がります。
下の写真のようにレインボーブリッジへと向かう階段があるので、そこを降りて行きます。
レインボーブリッジを井川駅方面に進み、トンネルの脇にある階段を登っていきます。
階段を少し登って、奥大井湖上駅を見返してみると巨大なレインボーブリッジと湖の景色がなんともいえない味を出しています。
急な階段を登って、山道となる湖上遊歩道へと入っていきます。
遊歩道の途中、車の駐車場が見えました。
この駐車場の位置ばGoogleマップで見ると、下のPマークのところになります。
駐車場を右にみつつ遊歩道を先に進んで歩いていきます。
昇り降りを繰り返して、約15分、やっとレインボーブリッジ湖上遊歩道の出口が見えてきました。
レインボーブリッジ湖上遊歩道の出口に到達。
撮影ポイントであるレインボーブリッジ展望台は、こんな感じの道になっています。
レインボーブリッジ遊歩道の出口(入口)前には湖上遊歩道の地図もありました。
撮影ポイントから奥大井湖上駅を撮影した写真がこちらになります。
撮影ポイントからの奥大井湖上駅と接岨湖 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA
晴れている日だと、千頭駅に飾ってある下の看板写真のような奥大井湖上駅の写真を撮ることが出来ます。
この撮影ポイントですが、千頭駅や長島ダム駅から出ている路線バスで来ることも可能で、途中の湖上入口バス停から徒歩5分ほどになります。
路線バスの運行は、11時から15時までの間しか運行されていないので、とく時刻表を確認してください。
奥大井湖上駅の観光ツアー
今回私は個人で大井川鉄道を利用して奥大井湖上駅を観光しましたが、人気スポットということもあって観光ツアーもあります。
調べてみると、クラブツーリズムと阪急交通社から奥大井湖上駅の観光ツアーが販売されています。
これらのツアーでは大井川鉄道のSL列車へも乗車することが出来るようになっていて、日帰りや一泊二日の日程で効率的に観光できるようになっています。